
「衣服解剖学」はみだし版
~人体と衣服の姿かたち・しかけしくみを考える~

はじめに
半世紀以上、機能ウエアに携わり、オリンピック選手や救急援助隊などの衣服で成果をあげられた、中澤先生の服作りは、人と人体への深い洞察から生まれたものです。
服をかたちにする時、形態学、解剖学の見地に立って、はるか古生代の生物から変化して成り立った人の姿までを見通す事があるそうです。衣服の業界人の中では”はみだしのはみだし”とご本人は笑いながらおっしゃいます。しかし、先生の服は、動きやすい、楽、軽い、そして美しい。衣服と人体、人体美学などの ”すがた かたち” 、形態学、解剖学で探究された”しかけ しくみ”。
この双方に焦点を当てながら、中澤先生がどのように考察され、どう表現されていくのか、著書『衣服解剖学』には書かれなかった裏話や不思議な話も含めて、具体的に紹介していきます。

1
機能ウエアを作る第一歩は動きの原型をパターン上で把握する事

2
サンショウウオ(両生類、1億4000万年前の化石が残存)に人の歩行の”動きの原型”の一つが見える

3
スタートダッシュの姿勢やスキージャンプで飛び立つ前屈姿勢などに胎児をほうふつさせるような、もう一つの”動きの原型”を見る

4
この胎児が米粒程の大きさだった時、頸の付け根にはエラを思わせる一列のさけ目、手足はヒレの恰好、小さな尻尾までついている。『内臓とこころ』(三木成夫)より
書 籍
衣服解剖学 (日本語) オンデマンド (ペーパーバック)
4,180円
衣服というのは、人が用いる道具の中で最もからだの近くに存在し、からだを覆うもので、美と用を兼ね備えるべきものです。立っている人の美しさや動いている人の機能を、どのように衣服に表現していくのか、それがこの本の軸となっています。"美"という側面からは人体美学を、"用"という側面からは解剖学、形態学を結びつけ、カジュアルウエアから高機能ウエアまでを導きだします。著者が制作した、100分の1秒を競うスピードスケートやスキーの滑降競技の高機能ウエアは、動体裁断Ⓡによるもので、それを着用したアスリートたちがオリンピックで獲得した金メダルは100個を超えます。今回、増補版を発行するにあたり、この機能ウエアの具体的な制作工程とテクニック、完成品の作例を掲載するために、世界特許を取得した多方位高機能袖の理論と作図、及び著者の代表作の一つでもあるレスリングウエア・シングレットのデザインとパターンの導き方を掲載しました。
(株)築田研究室でも販売しています(カバー付き)